神宮外苑超党派国会議連 JSCへのヒアリング
- Nagisa Kato
- 8月23日
- 読了時間: 4分
8月4日 衆議院第一議員会館にて、神宮外苑超党派国会議連勉強会が開催されました。

神宮外苑の市街地再開発事業は、
現在の野球場とラグビー場の場所を入れ替えてそれぞれに建て替える計画です。
さらに3本の超高層ビルの新設も予定されています。
秩父宮ラグビー場(港区北青山2丁目)は独立行政法人である日本スポーツ振興センター(以下JSC)が所有しています。
文部科学省に連なる組織で、
そもそもの独法の意義としては、公共性の高い事業で民間に運営をまかせられないものを所管するというものです。
JSCの所有地つまり国有地に準じるものですので、
その財産処分については文部科学大臣の許可を必要とします。
つまり国民の財産である
という認識がまず前提として必要となります。
市街地再開発地域の約1/4にもあたる面積です。
神宮外苑の再開発「私有地の開発である」と言えないことはこのことが理由となります。
今後の工事の進行にあたっては、
秩父宮ラグビー場の財産を処分し、新たな予定地(明治神宮様の所有地)と権利を交換する手続きが必要になります。
本開発に対してわたしたちは、
賛成反対の前に、説明と対話を求めて要請活動を行っていますが、
開発の発端にはじまり、許認可の経緯などあらゆることが秘密裏のうちに行われ、
決定後に周知されることが常態化していることを懸念しています。
公共性の高い、いまでも子どもたちのスポーツの場であり、多くの方々が愛し利用している場所、そしてなにより第1種文教地区であることからも、丁寧な説明と対話を持ってその未来を描いていく必要があると考えます。
翻って、再開発地の1/4までもが準国有地であることも踏まえた上でです。
今回、財産処分申請に対する動きがあるということで、
急遽、JSCならびに、財産処分の決定を下す文科省役人を迎えての国会議員連盟の勉強会となりました。

幹事の立憲民主党 阿部知子議員・篠原孝議員他多数の国会議員のみなさま、そしてこの度改選となりあらたなメンバーとなった都議会超党派議連の議員みなさま、さらに私たち市民団体にも参加の機会をいただきました。
今回は所用にてご出席がかないませんでしたが、
筆頭の自民党船田元先生には常にお支え励ましをいただき感謝申し上げます。

JSCならびに文科に問うのは以下、
代表質問者は<神宮外苑の緑と空と>主宰角井さん
【1. 財産処分手続きについて】
その時期、申請の内容や審査の過程、事前の説明会の開催予定など
【2. 土地評価および等価交換の妥当性について】
秩父宮ラグビー場の方が資産価値が高いと勘案するが、敷地と明治神宮様の提供地との面積・地価・評価額はどのように比較・査定するのか、それにあたって第三者の不動産鑑定の予定があるか=国民の財産が毀損されることにならないか
【3. 独法のガバナンスと説明責任】
国の独立行政法人としての公益性、情報公開のスタンスや予定
【4. 収益性・公共性】
従後にJSCにはどのような権限・利益・関与が残るのか、また、本件が国民財産の宗教法人への実質的譲渡にあたることはないのか
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残念ながら冒頭から、
情報公開を行う必要がない(というか本PFIにおいて必要としないとする)
JSC側と対話が噛み合わない中で終了予定の1時間が過ぎた頃、
JSCより、
秩父宮ラクビー場の財産処分の申請書が7月31日付で文科大臣宛に提出されたことが唐突に公表されることに。
その後、異例の速さで8/7付けで文部科学大臣の許可が降りることになるのですが、(これはまた別記事にて)
大臣許可が一朝一夕に行われるわけもなく、
今回もやはり情報の公開や説明を行わないうちに、申請の準備を進めていたことに、改めて丁寧な説明や理解を得る姿勢はないことが確認されます。
もう繰返しになりますが、この件は純国有地、すべての日本国民の財産に関わる部分です。
今後13年にもわたる工期、巨大な建造物を伴う工事や、まちの変化に対して理解と応援を得て進めていくならば一層丁寧に行うべき過程だと思います。
港区としては、今後秩父宮ラグビー場につながる港区道の付け替えもあります。
所在地でもある港区ともしっかりと連携をとり、
前武井区長が開発の条件として厳に付された「18本イチョウの確実な保全」について、見守り必要な声を届けてまいりたいと思います。 港区への確認事項はこちらもまた別記事にて記します。
