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  • 執筆者の写真Nagisa Kato

傍聴録:東京都環境影響評価審議会総会(第2回)

更新日:2023年5月19日


東京都環境影響評価審議会総会(第2回)を傍聴しました。


=前回の審議会のまとめ=

・説明した項目の範囲で変更があるような虚偽誤りがあることは認められない

・誤解を生じる部分はあった

・住民とのコミュニケーション不足でホームページなどでの情報発信をすべき  →前回は池邊委員より、住民説明会の開催について強くお伝えくださり、事業者も「承知しました」とお答えになったと思います。ホームページでの一方的な情報発信のみの内容ではなかったはず。


柳会長のまとめに恣意性を感じずにはいられないのは私だけでしょうか。


加えて都の事務局からは、

工事の着工と審議会が切り離されていることは伝えている。


ということで、

着工の許可を出してしまった以上、止まることはできないということありきの行政の態度を感じ、出鼻から砕け落ちる気持ちです。


続く事業者の説明については、

棒読みで、虚偽はない、誤解を与える表現だったを繰り返すのみで前回同様違和感があります。素人でも疑問が湧きすぐに質問したいと思う内容です。


例えば

赤坂御用地との緑のネットワーク

多種の樹木を植えるので虚偽ではない。→緑のネットワークにおいて樹齢100年の森と100本前後の新しい木々がネットワークを組めているといえるの?


秩父宮東側19本の移植について

移植の可否を検討して2027年解体時までに樹木医などど移植ができるか検討して、事後調査にて報告。可能であれば実施。

→解体目前の事後調査で不可能となる可能性があるのか?移植を検討するという方針ではなかったでしょうか。。

4列の銀杏並木の保全

計画よりセットバックする。→どれくらい下がるのか?現時点聞かなければ判断できないのでは?また40m掘り下げることでの水脈が途絶えることは対応なし?


都度樹木医の判断を仰ぎながら計画を調整する。→ダメでしたとなっては手遅れ。


完了後の一定期間モニタリング→一定期間しかモリタリングしないことと、<将来にわたって保全する>は両立できない条件、矛盾がある


ーーーー

これが一方的な説明ではいけない理由です。

この疑問を即座にお伝えし、さらに踏み込んで説明していただく場でないと意味がないのです。


改めて我々有志の会として対話型の説明会を強く求めたいと思います。


そして多くの住民・国民が期待を寄せている委員皆様のご意見は以下の通りでした。



▼横田委員

緑地の分布:

・イコモスが新たに公表しているものをどのように確認しているか

→事業者)事業者として提出している群落調査、まいぼく調査を実施し提出したものがあるので、変わるものではない


・どのような点において変わらないのか?

→事業者)群落の分類について落葉紅葉としているが、欅などがあることも認識したが区分として植栽区分とした。予測調査として適切だったと思っている。


・建国記念文庫の回答について、ラグビー場の構造によって周りの空間が変わると思うが、建国記念文庫のモニタリングの計画については?

→事後調査計画書の最後のスケジュールについて、ラグビー場の竣工後数年に渡り行う予定。調査結果については都度年ごとに報告する


・植物相、群落の観点は?

→事業者)全体竣工ののち2036年に再度群落調査を行なって調査を行う予定

・今までの話の中で、同じデータを見ているが、事業者は、最初と最後しか見ていない。そのプロセスが見えず不安。生データの更新が重要であるどのように考えるか?

→着手前、着工届け後に全数調査を実施中。それと今後のデータどちらも公表を


・中央広場に関して、過密さの意見があった。断面については連続することが大事だと思うが、どれだけ元の樹木の状態や、まとまった植栽配置なのかをもう一度聴きたい。過密さの検討は?移植元の樹木とどれだけ照らしているか?

→事業者)既存樹木に比べ、豊かな構想を持った、密度はありながら安全を測れるものを予定。人との関わりはどの程度入り込めるか適切に考えていきたい。中央広場の中央は密度は広げて常緑と落葉はのバランスをとりながら。


・文化交流施設の事後調査計画書の中に組み込む

移植の発着の検証を位置付ける必要がある。全てがうまくいくわけでない。元の形でなく残るものもあるはず。樹木の健全どを位置づけたモニタリングにしてほしい。


・ラグビー場に関する検討状況

→事業者)豊かな植栽環境を担保して、移植ぼくがまとまっているエリアで連続した形の植栽基盤の中にあることがよいと考える。


・建国記念文庫はそうだが、ラグビー場は柱の大きさなどで緑道ほど面積が取れないはず。→事業者)どれだけ樹木が救えるのか、植栽基盤のあり方鋭意設計中。


ラグビー場周りの環境は大切、高さによる日照風環境の件も明らかにしてほしい。



▼水本委員

・緑のイメージについて

イコモスの深いご指摘で歴史的、時間軸の継承の目標としてプラスで深めていけるのか?

回答がプロセスを計画の結果として見せられている。

イコモスの指摘を取り入れることはできるのではないか?プロセスの中で、合意形成を含めて見せていくことが必要。

→事業者)受け止めて検討している。今のイメージや歴史はお互いに同じだと思うのでしっかり


・回答に対しての実現性について以下の質問

1)昨年の審議会でPFI事業なので答えられないという内容。その上で秩父宮ラグビー場については曖昧な回答。どこまで手綱を握っているのか?→実際に建築、設計するメンバーは三井ではない。審議会での意見、評価書の出し方や、審議会の状況は我々も報告しているし聞いている。定期的な連絡をしている。建国、緑道の保全。JSCを介す時もある。一体的に動けていると思っている。


主語がないので不安感があったが、

2)秩父宮(PFI事業)と銀杏並木19本、4列については三井?<誰が>が大事。新規のラグビー場はPFI、緑の部分は三井か?

→事業者)そう。


3)回答が不安定な部分がある。熟度が高まっていないことで表現に揺らぎがある。その辺り都民意見、イコモスなどの他の意見を入れる余地はないのか?

人と自然、天然自然ではなく都市の自然。過去、今の人とこれからの人が繋がっていない。

絶対変えたくないというのもあるかもしれないが。

→事業者)ベストな計画だと思っているのでこれで進めたい。全て詳細に決まっている訳ではないのでこの先できる限りのことはしていきたい。


4)イコモスの指摘によると植生評価と生態系の保全以外にも森のコンセプトがないように思う、テーマ性のあるもの。損失と保全を明確に見えるように出してほしい。


▼保高委員

・情報公開を迅速に計画に

・どこが五十八本かわからない。一眼でわかるように。

・世界と日本のスタジアムを回っている。それぞれの特徴がある。それが文庫の森ならキャパシティを保ちつつ、残す工夫を

・回避と低減と代償を明確に第三者にわかりやすく


▼池邊委員

・横田委員から説明があったイコモスからの新しい植生図、5群落が22群落であることが明らかになった。柳会長へ手渡しがあったと聞いている。


<混合林の捉え方の違い>のような単純なものではない。

5が22なら虚偽とわ言わずとも、歪められた調査と都民から捉えられる。


植生図はベーシックに共有されるもので、根茎や活力度調査も歪められていると捉えられる。

一番初めの調査が間違っているとすると、事後調査で直すものではない。

評価書をどのように処理するか大きな問題。


それをもとに見直すならわかるが、軽い受け取りであれば、審議会としては、虚偽とは言わずと、誤っている、真実でないものにしか判断できない。


開発の始まりが誤ってる。事後調査でいいのか判断する必要がある。

東京都事務局として、どう受け取るのか答えてほしい。そのまま受け取るのか検討してほしい。


▼齋藤第一部会長

植物群落の数が大きく違うということについて、池辺委員は専門なので聞きたい。

・百人が百人調査すると同じ結果になるのか?エリアの取り方で違いが出たりするのか?専門家としてお話いただきたい。

→池邊委員)知識を持ったものが行えば7〜8割同じもの。違うとしても2〜3程度の違い、それはあり得る。5から22は恣意的に行わなければあり得ない


・5と22の違いによってどう変わるのか教えていただきたい。

→池邊委員)どの群落がどのように取り込むかが三井から出ていないのでコメントができない。イコモスの植生調査がどのように結果に反映できるのかは三井が取り込めば示せることである。

生物多様性のない群落という結論づけをしたといえる


・環境影響評価の制度の流れの中でやってきたことで、調査結果の上で、今ここにある。


・ベーシックな現存植生図は人によって変わるものではない。

事業者にそうしたら22群落を5群落にしたのかを示してほしい。

→事業者)調査を範囲が異なることで、数が違うと思う。提示している範囲はイコモスの作成については優先種で分ているが、外観から判断したものとの差もある。


・提案この会を始めたきっかけは、イコモスから情報が間違っていて、それに基づいていればということだった。

予測評価にどんな影響があるかを判断すべき。

直前に出ても判断ができないはず。

この回と違う形でやってほしい


本来はスクリーニングという制度で内容を吟味した上で、必要に応じて審議会に上がってくる。正式には事務局で揉んでもらい、相談をすることを提案したい。

▼柳会長

イコモスの指摘については直ちに判断できない。

専門の方が提示しているものは参考にして検討する。

調査に支障がない形で進めてほしい。

▼水本委員

審議会のプロセスとしては2023の2月の解答と了解しているが、イコモス、池辺委員の指摘は重要だが、日本イコモスが出しているから正しいとは言えないのではないか。

客観性は改めて確認したい。

▼横田委員

・手続き的には会長副会長に賛同する。

植生図について、緑地について載っていないのは良くない

修正できる箇所なはず。


・アセスの流れの中での評価をどうするかを行なってきた。

見ているものは同じであり、出される情報をさらに客観的に分析したものを公表してほしい。その生データは掲載を。


・銀杏については、事後調査の中でということなので深い議論がなかった、リスクをどう考えるかが大切。不確実性についてアセスがどう対応できるか自分自身模索している。

条文77条、事後調査報告書の提出後・・著しい影響があると認めた場合は必要に応じて都が判断をする

とある中で、今も審議会で見続けるように異例の対応は新しい流れ。

審議会も関わりながら、リスクに対して審議し続けることを提案したい。

→柳会長)制度的に担保されていると思っている

▼事務局

事後調査報告については必要に応じていろいろな種類の、多くのものが出てくると考える。

内容によって審議をするもの、受理をするものを都度審議会と一緒に判断

▼池邊委員

審議会の中で住民に対する説明の必要性を認識してもらったはず。

都民の声を聞く会には自身も行ったが、今、更に求められている。

開発の今の時期をもって、事務局として、反対署名、イコモスからの意見書が出ている、事務局として開催していただけないか?

→住民説明会を開催する。対象をどう区切るかや、方法は検討中


対象の範囲を区切るのはどうなのか? →含め検討する。

▼・委員

銀杏並木の保全について、状況が良くないというところいつ知って、どう対応したのかを詳しくご説明を。

根茎調査の結果もないのでちゃんと調査されるのか不安がある。

場合によっては見直すと言ったはず。

銀杏を守りますという話の中で通常の保守の中で、異常が出てきた時に、その時の対応でコントロールできるのか?

→事業者)活力度調査は2018年11月、2019年4月、5月。神宮が所有している銀杏は毎年編成と変化を捉えている。一部落葉がはやいと気づいたのは2019年。

土壌調査をの上で土壌改良をしたと聞いている。


心配なのは日常の管理の上で、状況が悪くなった時のこと。事前に予知することができないのか?工事が入ってきた時に、毎年まいぼく調査を行なっていく中で、どう判断していくのか?従来以上にどう対応するのか?説明の上でも不安に思った。安心できる説明をお願いしたい。

→事業者)2023年6月から専門家立会いの上で行う。異常が確認されれば、新野球場の建築までの4〜5年で検討していく。


▼齋藤第一部会長

第一部会として答申をまとめた。

イコモスからの意見について一つ一つ回答してもらった、虚偽という内容ではないと感じている。環境影響評価書の条件に誤りがあれば調査をし直す必要があると考えて、心配していたが、それは解消したのでこれで終了していい。


今後は事後調査でモニタリングしていただき、環境保全措置がとられることを確認していくよう対応したい。



環境影響評価へのネガティブな意見も多い。

評価書案の段階からまいぼく調査、根茎調査に対する対応案についてOKを出した。

将来にわたって銀杏の健全な保全については、事業者からしっかり聞けている。

当初になかった議題にまで踏み込めたことを自己評価。

事業者へは、真摯に対応してもらったと感じている。


住民とのコミュニケーションについても、HPでしっかり情報を開示している、実際に意見交換をするしないに関わらず。(!!!)


▼宮越第二部会長

齋藤部会長に賛同、虚偽は見受けられなかったと考える。

予測評価に結果は変わらないと考える。

その上で伝えたいことは、

イコモスの指摘と事業者の見解に大きな違いがある。

イコモスを含めた、団体、住民の意見にも真摯に対応することを強くお願いしたい。

プロセスの開示を含めて

描いている未来図は住民なしにはなし得ない。


今後の審議会のあり方としては条例に基づいて関与する。

今回のように、外部の意見を取り入れて審議会を行うことは特例。

事業者事務局がまず丁寧に向かい合い、

その上で

結果が変更することがあれば変更手続きをすることが必要。


▼柳会長

地域住民、都民の理解を得ながら進めていただきたい。

今後の調査については引き続き適切に実施されているか注視したい。



参考:環境影響審議会委員の皆様



環境影響審議会としてできることを最大限に尽くてくださったのかもしれませんし、

課せられた役割がここまでであるということなのだと思います。


その上で、委員の皆様が何度もおっしゃったように、

住民・都民(国民)との合意形成が大事で、

その場を早急に作っていただきたいと切に願います。


それは、

齋藤委員のおっしゃったようなHPでの情報開示ではなく、

事業者の説明にあるような、居住の有無を区切ったものでもない、

オープンで対話型のものであることを強く求めます。




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