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  • 執筆者の写真Nagisa Kato

独立法人日本スポーツ振興センターと面談しました

更新日:2023年6月6日

2023年5月30日、以前より志を同じくして活動されている新宿区の「子どもたちの笑顔をつくる神宮外苑を考える会」様と合同で、独立法人日本スポーツ振興センター(以下JSC)と面談しました。

JSCは明治神宮外苑再開発の事業者の一者で、主に今回建て替えとなる国立秩父宮ラグビー場の所有者です。


開発では、神宮球場と場所を入れ替えて建て替え、それぞれの土地の権利も交換します。

JSCは文部科学省の関連機関であり、子どもたちをスポーツで健全にな成長へと導くことを目的※1としています。

その公共性より、国が直接実施する必要はなくとも、民間に委ねると実施されないおそれがある事業を国の実施部門から分離し、法人格を付与※2したものです。つまり、国民一人一人の税金もその事業運営の一部として賄われてます。


このことから、

私たち有志は以下の点でJSC様からの直接の説明をいただきたいと考えました。


1:開発によって、今まで子どもたちが自由に使用できていた、軟式野球場、テニスコート、バッティングセンター、そしてゴルフ練習場などが廃止となる。

JSCとして、子どもと健康的な育ちとスポーツの関連性をどのように捉えているのか地域の子育て世帯として見解を伺いたい。


2:JSC所有の秩父宮ラグビー場は国有地である。今回入れ替える野球場より価値が高いと言われており、国民の財産たる土地を低い価値で民間企業に渡すことの毀損により、国民が不利益を被るのではないか。


3:大規模な工事により、近隣の子どもたちの安心と安全を守る方策は具体的に立てられているのか。


この3点に関連して、

地域の子育て世帯からの要請文の手渡と共に、

開発の目的、完成後のビジョン、運用、持続可能性を踏まえた質問に対し、スポーツ庁を通じて回答を依頼しており、実現の運びとなりました。


JSC理事長 芦立 訓様に向けてお渡しした私たちの要請は以下です。



明治神宮外苑再開発における

子どもたちの健やかな育ちと安心安全を守るための要請


【要請の趣旨】

明治神宮外苑一帯は、その起源において、広く市民の憩いの場で、誰もが運動を楽しめる場所であることを約束され、国から譲り受けられたものです。

このことから、文部科学省の関連期間であるJSC様には以下のことを要請いたします。


一. JSC様におかれましては、明治神宮外苑地区再開発事業者の一員として、この開発が、創建の目的と

違わず、広く国民が健康増進と癒しを求めて自由に集え、未来に渡って、持続可能で、国民全体の利益となるものであるように、管理監督していただくようにお願い申し上げます。


二. 計画では、子どもたちが従来通り、自由にスポーツを楽しむことができる場所や機会が守られるように責任を持って取り組んでいただくこと、そして通学や生活の安全が確約されるように、計画の具体的な進行の前に、住民に対し事業の目的や工程、完成後の運用計画を、区域を区切らず希望する方に向けて十分に説明し、同時に疑問や指摘に真摯に応える対話の場を持たれますよう、他の事業者に働きかけていただくよう要請いたします


【要請の経緯】

 私たち、港区の「明治神宮外苑外苑を子どもたちの未来につなぐ有志の会」と、新宿区の「子どもたちの笑顔をつくる神宮外苑を考える会」は、それぞれ明治神宮外苑近隣の子育て世帯・住民を中心とした有志団体です。

 かねてより、それぞれに、明治神宮外苑再開発について、勉強会の開催や、事業者による対話型の説明会の開催、4列の銀杏並木の永続的な保存と<名勝指定>を求めての署名陳情活動を行って参りました。

その間、事業者からの説明がないままに、東京都による施工許可がなされ、日々工事が進行しています。

 計画が始まれば、この一帯は矢板とシートに覆われ、子どもたちは13年に渡り、緑の環境と憩いの場を失うこととなります。子どもの健やかな育ちには、のびのびと体を動かす機会、緑豊かな環境は不可欠であり、再開発により成長の機会を奪われるばかりか、安心安全が守られるかを強く懸念しております。

 事業者の一者である独立法人日本スポーツ振興センター様(以下JSC)には、まちづくりの進行において、充分に都民や利用者の意見に耳を傾け、合意形成に向けての努力をいただきたく、連名による要請をいたします。

しっかりと受理いただき、翌日メールにて、「頂いたご要望につきましては、しっかりと受け止めて当機構内及び事業者間で共有してまいります。 説明会開催に向けて頂いたご意見についても事業者間で共有して検討を進めます。」

という回答をいただいております。


ありがとうございます。


続く質疑応答では下記の点をお尋ねしました。QA形式で記していきます。


(加藤)

スポーツには二つの側面があります。

一つは応援して楽しむスポーツ。

そしてもう一つは実際に体を動かして楽しむスポーツ。


子どもの育ちにおいてはそのどちらも必須です。

しかし、市民が自由に使えるテニスコート、野球場、ゴルフ練習場、サッカーコート、トラックがなくなり、残されるのは、イベントもできるラグビー場、ホテルや商業施設までついた野球場、高級会員制テニスクラブのみです。


事業者からの説明会が行われていないため、HPなどからしか散見できませんが、スポーツクラスターを掲げながら、スポーツが経済優先に利用されるのではないかと危惧しています。


開発地域のうち、ほとんどが私有地ということで、その運用に他者が意見できないような向きもありますが、秩父宮ラグビー場と先般閉鎖されたテニスコートはJSCの土地、つまり国有地です。


国の独立行政法人として文部科学省からの委託事業を請け負っているJ S Cこそ、明治神宮外苑とういう土地が、創建の目的と違わず、広く都民、国民が健康増進と癒しを求めて自由に使えるものであり続けなければならないと、民間の事業者を管理監督指導する役目でなければならないのではないかと思いますがいかがでしょうか。


つきましては、我々、港区、新宿区の近隣の子育て世帯は子どもを育てる環境を守り、未来にあるべき明治神宮外苑の姿をつなぐために、本日事業者の一員でいらっしゃるJSCさんとの対話の場を持って、開けた説明会の開催に向けてご準備いただきたいと思いこの場を設定させていただきました。




1:建国記念文庫の森の保全について(大澤さん)

子どもの自由な自然な触れあいの場、避難地域であり、緑ゆたかな東京の最たるものだと思われるものだが、その保全については、先日の東京都の環境審議会において、日本イコモスの指摘がありながらも、一切議論や対話が受け入れられることなく結審しました。

保全については、モニタリングしながら今後の事後報告書で報告するとありましたが、モニタリングするための指標となる調査が、方法も考え方のベースとしても学術的に間違っているという指摘でした。間違っているベースを元にした調査が正しく機能するとは素人目にも理解ができかねるのですが、JSCとしての見解を教えてください。また、避難場所や、移植の具体的な場所はどうなっているか教えていただけますか?

→(JSC)避難場所としては近々明治公園を再オープンすると聞いている。工事の期間は広域避難場所を神宮全体で順番に入れ替えながら、現状と全体の面積は減らないようになると聞いている。

→(大澤さん)咄嗟の避難時に、避難場所だと思って辿り着いた場所が工事中だった場合、人命に関わる。周知も責任を持ってやっていただきたい。



・新ラグビー場の壁によって日射しが遮られ、残りの樹木も枯れてしまうと専門家から指摘されている。これについてどのようにお考えか?

・建国記念文庫の森の木々は移植されるとされてますが、どこに移植されるのでしょうか?また、移植することによって枯れてしまう恐れも懸念されているが、どうお考えか?

→(JSC)これから検討を重ねていく



・先日の東京都の環境審議会において、日本イコモスの指摘がありながらも、一切議論や対話が受け入れられることなく結審しました。保全については、モニタリングしながら今後の事後報告書で報告するとありましたが、モニタリングするための指標となる調査が、方法も考え方のベースとしても学術的に間違っているという指摘でした。間違っているベースを元にした調査が正しく機能するとは素人目にも理解ができかねるのですが、JSCとしての見解を教えてください

→(JSC)JSC単体では環境アセスについては回答できない。


・そもそもここまで熱心に神宮外苑再開発の問題を指摘している国際的な文化団体イコモスと、一度も協議の場をもうけないことについてどうお考えか?

写真:建国記念文庫、群落調査イコモス資料

→(JSC)審議会も傍聴していたが、イコモスの指摘については虚偽がないと判断されたので言えることはない。




2:長い工期(加藤)

我々近隣で子育てする世帯としては13年にもわたる建設中に子どもたちがのびのびと体を動かす場所や憩える自然を奪われることを危惧しています。それらを奪ってまで行う価値のある開発だとお考えですか?

→(JSC)ビジョンとコンセプトを明確化してきたのでご覧ください。


→(加藤)

コンセプト1、ラグビー場については後ほど別途質問します。

2は建て替えるためのコンセプトであり、その後の持続可能な運営に対するものが見えない。建て替えによる環境負荷は3と相反する。

特に4は、わたしたちが大切だと考える<子ども自身が体を動かしスポーツをすること、種目スポーツにおいて鍛錬を重ねること>が抜け落ち、鑑賞や学び、知的刺激にのみ焦点がいっている。このことを持って、やはり経済優先の開発となってないかと疑問を持ってしまう。


・さまざまなスポーツ施設の閉鎖後今後どのような形で運動の場所の代替をお考えでしょうか

→(JSC)まだ詳細を知らされてはいないが、スポーツができる屋上競技場、多目的室内競技場を地下に用意すると聞いている。また、資料をご覧ください。のびのびと体を動かせる芝生広場を多数配備します。(赤いところが芝生になる?)


→(加藤)スポーツをすることと、体を鍛えること、鍛錬をすることを、のびのびと体を動かすことと混同している。スポーツとしての練習場の代替はほぼないに等しい。

(屋上の運動場が夏に稼働できるのか?)




3:子どもたちの安心安全(平野さん)

来年度から近隣の中学校に子どもを通わせる予定があります。隣接には二つの高校、中学、向かい側に小学校もあります。


具体的に工事が進行しましたら、工事車両の往来や粉塵、風の問題。現状だけでも伊藤忠ビルの吹きおろしは小さな子どもにとっては脅威となる日もあるくらいです。それが90メートルからやく倍になるわけですので、想像もつかない危険さを孕んでいませんか?


こういった役割を持つ、このような施設の建築のためにこういった計画があるが、このような形で子どもたちの安全を守ります。というような説明がなされてしかるべきことではないでしょうか。JSC様としては、具体的にどのような点を子どもたちの安心安全を脅かしかねない危険要因ととらえていますか?また、子どもたちの安心安全を守る方策として具体的にどのようなことをお考えでしょうか。

→(JSC)風や粉塵、騒音については現時点の予測評価で問題がないと環境影響審議会で結論づけられているで問題がないと思っている。しっかりとモニタリングして、今後の工事の中で変更がある場合は事後報告で報告される予定です。


→(加藤)伊藤忠ビルの建て替え時にも、事前予測評価で風の問題はないとなっていたそうです。しかし現状は風が強い日は子どもたちが身の危険を感じるほどです。そのような環境評価で万全と言えるのでしょうか?


→(JSC)絶対に大丈夫と言っているわけではありません。安全には当然留意したいと思います。



4:国立競技場について(竹内さん・松下さん)

・サブトラックを作るためという理由で、通っていたテニススクールが閉鎖されました。このほか、軟式野球場に隣接したテニスコート(6面ほどあったはず)にはたくさんのチームや練習の方がいましたが、一様に練習場所を奪われました。その他オリンピックでの駐車場の利用などを理由として、子どもたちのスポーツの施設がなくなりました。

サブトラックはどうして無くなったのですか?

→(JSC)東京都の話なので関与していない。また明治神宮にかかる土地なので分かりかねる。

→(竹内)土地の管理は違えど、事業者間での情報共有がなされていない、連携ができていないという解釈で良いか?

→(JSC)連携はしているが、詳細が定まりきっていないこともある。


・軟式野球場は12〜2月のいわゆる野球のオフ期間までは、朝から夕方まで、たくさん練習できました。野球人口が減ったと言われている現代でも、所属チームは1〜6年生で80名在席。これは有名私立高校の野球部員の人数に匹敵します。神宮軟式野球場は6面あるので、低学年と高学年に分かれても十分に練習させてもらえる唯一無二のグランドです。そのお陰で、リーグで、5年ぶりの優勝することができた。子どもにとっても思い出深い球場です。また、港区麻布運動場のグランド、港区青山運動場のグランドが工事で使用できない時にも、軟式野球場があってくれて助かりました。

・現状でも予約手一杯で足りていない中、なくなった施設の代替をどのようにお考えですか?

→(JSC)そのような状況であることがよくわかった。代替先としては、先ほどの説明の通り室内球技場を作る予定がある。また、外堀や四谷都立公園、近隣の野球もある。


・約1569億円を投じて、これから年間24億円もランニングコストにかかると言われていますが、東京都、国民の税金にも頼って建てられている施設です。今後の運用と収益化の見込みは?

→(JSC)事前に回答を用意できていない内容ですが、ご意見を承りました。


・新国立競技場をラグビー施設として使うアイデアはないのか

→(JSC)事前に回答を用意できていない内容ですが、ご意見を承りました。




5:秩父宮ラグビー場について(大澤さん):

このSDGsと叫ばれる現代において、大きな建造物の建て替えは資源の消費、資材の廃棄、工事におけるCO2の排出など環境負荷が大きくかかることは子どもたちでも知っています。それでは耐用年数が経ってしまった建物に対してどうするか。

1番に検討すべきは、できるだけ補修して使い続ける方法を探ることかと思います。

老朽化が課題ならば、現状を活かしながら、

さまざまな民間のアイデアを募って現状を活かしながら改善していくアイデアの募集の努力はなさいましたか?

→(JSC)現状での建て替えも考えたが、最新のユニバーサル仕様を組み込むことがスペース的にできなかった。現在の施設はスポーツの観戦施設としては時代遅れであり、最新の設備を入れることができない。その場で立て替えた場合、これ以上のスペックにはならないと判断した。修復でもできることは電気をLEDに変えることくらいでは。 また、建て替えの環境負荷については材料はリサイクル材を使い、最新の省エネ技術もある。


→(加藤)世界的にも、今ある資源を大切に使っていく流れの中で新らしさを求めている方がどれだけいるのか。

野球場ですが、阪神球場は来年100周年を迎え、秩父宮よりも歴史古いわけですが、運用しながら、その場にありながら見事に修復を終えています。そのような方法は取れないのでしょうか?


・今回の再開発でどれぐらいのCO2が排出されるとシュミレーションしている?また、それをどう相殺する予定?

→(JSC)都市計画のシュミレーションは三井不動産主体で行っているが事前にシュミレーションしたと聞いている。数値は出せない

→(大澤)次回説明会ではご明治いただけるようご準備ください

→(JSC)承りました。事業者間で共有するようにします。


7:秩父宮ラグビー場について2:(加藤)

また、日本のプロリーグで活躍され、現在は研究者として大学での教鞭を揮っていらっしゃる平尾剛さんもご指摘されている、ラグビー施設としての問題点はどうお考えですか?

・4割も減らして国際試合には客席が足りないはず

・人工芝により選手が甚大な怪我を負う可能性が示唆されている

・屋根付きの競技場はラグビーの醍醐味を奪うと言われていますが?

・人工芝が摩擦によりマイクロプラスチックを生み出し、人体の呼気での取り込みによる影響、河川から海に流れることによる環境負荷はどう考えているか?

→(JSC)ご意見は承った。芝については、芝の養生で使えない時期などを考えると、人工芝が一番良い状態でラグビーができるとされている。人工芝の品質を保つために屋根付きはセットであると聞いている。 人工芝での国際試合も多数実例があり、そのことが国際基準を満たさないとは言えない。 資料の通り令和3年1月の「ラグビーの進行に関する国際会議第3回」にて、国際大会の上旬を踏まえて吟味された内容である。

→(大澤)これより前の時点では、その場での建て替えが検討された経緯が残っている、どの時点で話が変わったのか



8:秩父宮ラグビー場について3:(大澤さん)

道の細さに対しての安全性の担保、群衆津波の恐れ

写真:イコモス資料模型、避難場所マップ

→(JSC)日本イコモスの指摘が間違っていると捉えている。現在も一番広いところで50m一番狭いところでは10mとなっているが、今回の計画に示しているのは6.5~10mであり、イコモスが指摘した8mということがどこから出てきたものなのか?


9:都市計画審議会における風致地区の考え方:(大澤)

元々、秩父宮の風致地区が解かれ、高さ制限が20mまでであったものが一気に70mまで可能になった理由が、未共用区域であるという理由からです。

「公園まちづくり制度」で、秩父宮ラグビー場のエリアを未供用として、都市計画公園区域を一部廃止し、2棟の超高層ビルが計画されているが、ラグビー場は本当に未供用なのか?

そもそも「公園まちづくり」制度は都市計画公園の指定区域では2階建てまでしか建てられないため、結果的に密集市街地となっている公園未供用区域の再開発を可能にする目的で作られた制度のはず。秩父宮ラグビー場は密集市街地ではないので、ここで公園まちづくり制度を使うこと自体おかしいのでは?

写真:郡上踊 青山チラシ

→(JSC)いつでも誰でも好きな時に入れることが共用地区である、そのことからすると常時施錠されている秩父宮は未供用地区で違和感はない。開発後この場所は芝生の広場になり誰でも入れる場所になる。

→(加藤)

オリンピックが終わったのだから元の風致地区に戻してはどうか?



10:東門19本の銀杏について:(加藤)

かねてより、4列の銀杏並木については、私たち有志からも、港区教育委員会に向けて、完全なる保全と名勝指定のお願いを陳情しています。

加えて今回の建て替えに際しては、これらの銀杏と兄弟ぼくに当たる、東門の十九本の銀杏並木についても同様に完全なる保全をお願いしたいです。

当初は伐採、現在移植となっていますが、天然記念物の例ですが、木を一本移植することに大変な予算がかかり、人手工期も多大なるものだと聞いています。これよりも小さな木と聞いています。またこれだけの面積のものを植え替える場所があるのでしょうか。

本当に移植は現実的だとお考えですか?

→(JSC)適切に保存できるようにと考えている。移植先なども樹木医との相談のもと慎重に進める。

→(加藤)結局は伐採、またはやってみたけどダメでしたとなるのではないかということは、国立の際の移植の木々が現在軒並み枯れていることと、日本イコモスさんもご指摘の通りです。



11:霞ヶ丘門について(大澤さん)

・霞ヶ丘門について。新ラグビー場の建設でこの江戸城の城石を使った、創建当初から残る美しい歴史的な門は取り壊されるのか?

・こうした神宮外苑の門は各方面にある。新国立競技場をつくる時に、そのうちのひとつである内外苑連絡門は文化的な価値が高いということで残した。なぜ今回は残さない?

写真:霞ヶ丘門、国立競技場のところの門(イコモス資料より)

→(JSC)ご意見は承りました


12:緑の質と量について(大澤さん)

事業者の広告によると、神宮外苑の再開発によって緑は増えるとしている。たしかに樹木の本数は増えるかもしれないが、歴史のある大きな木を700本以上切り、小さな木を800本植樹するわけだから、実際の緑の量は減るのではないか?

写真:大木、小木(YouTubeから)

→(JSC)ご意見は承りました


13:住民説明会について

最後に住民に対する説明が未だなされていない状況について

明治神宮外苑再開発については、東京都からこの計画が開示されたのが2021年の12月、同時に住民の区域を区切っての説明会が行われただけと聞いています。聞いていますというのも、近隣に住んでいますが200m半径の方でチラシが入った方のみ参加できる方式で、この地を愛する、日々利用する方のほとんどが蚊帳の外にある状態で行われ、これは広く開かれた説明会が行われたとは言えないと思います。

この土地が完全に民間の土地ならご自由にどうぞというところですが、明治時代には国有地であり、明治天皇の威光を偲んで、この土地が未来永劫市民の憩いの場であるようにという約束のもと明治神宮に、当時の地価の半額で渡された土地であることを考えると、完全なる市有地とは言い難い成り立ちであると考えることが普通ではないでしょうか。

その地の3000本とも1万本とも言われる木々を切り倒して開発するのですから、都民への理解と、合意形成への努力はなさるべきかと思いますが、先ほど申し上げましたように、未だに説明がなされていないままの状況です。

事業者のお一人であるJ S C様におかれましては、しかもこの計画の皮切りとなる秩父宮ラグビー場の持ち主であるわけですので、要請文の通り教室型の説明会の開催に向けて主体的に動いてください。

→(JSC)説明会については、開催の方向で事業者間調整している。ただ、誰でもOK青天井となると会場の手配などで大変。範囲を区切った開催にはなる予定

→(加藤)国立競技場を活用してください!オンラインもあります。範囲を区切らず行なっていただきたいです。

→(JSC)一点訂正させてもらいたいが、市民への説明がなされていないという指摘があったが、条例に則ってすでに説明会を開催したので開催していないという間違いは訂正させていただきたい。今回は都の要請に従う形で、あえて実施を検討して(あげて)いるのでそれはご理解いただきたい。


(加藤)改めまして昨日は貴重なお時間をいただき、親身にお話を聞いてくださりありがとうございました。スポーツ庁へお預けした質問についても丹念にご準備くださり心から感謝申し上げます。


我々は開発に対して反対の立場の住民ではなく、

あくまで子育て世帯として、

後々、子どもに説明ができるように正確な情報を受け取り、疑問を解消したい、

危険があるなら未然に防ぎたいというスタンスのものです。

今後も対立ではなく対話と和を重んじ、まちづくりを共に支える一員でありたいと願っています。

事業者の中で唯一、JSC様のみが国民の想いに寄り添っていただける立場だと思っています。


ぜひとも要請文を芦立理事長以下上層部、そして事業者様に確実に展開いただき、

開発の遂行には、事前のオープンな説明会開催と、

国民の声を取り入れ、子どもの育ちと未来に十分に配慮したものとなるように

ご配慮のほどよろしくお願いいたします。




=会談を終えての振り返り=


今回の神宮外苑再開発の発端となるのはオリンピック招致時点であることは周知のことです。

その上で、

開催時点からもたくさんの反対の声が寄せられ、開催の渦中でも多くの国民の理解を得られていない中、無理やり押し切ったオリンピックですから、レガシーの部分は国の関連機関としてしっかりしていただきたいです。


それは国立競技場を負の遺産として残すことを、全力で、知恵を絞って回避するだけでなく、


・子どもたちに対するスポーツの振興、

・得意な子にその才能が伸びる練習の場所の提供、好きな子には自分のペースで楽しめる、また得意でない子にも無理なく触れてもらい、少しずつでも好きになってもらう機会の提供を行うことととも言えます。


そして、オリンピック選手やプロ選手を醸成することも国として大事なことでしょう。

多くの子どもはその道を選びませんが、生涯にわたって自分なりに体を動かし健康に人生を送る手助けをする。

それこそが団体名にもつながる<スポーツ振興>なのではないかと考えます。


今回の説明において、掲げるビジョンからも、そのあるべき姿とリンクしない、理解が深まらなかったのが正直なところです。


子どもたちが自由に体を動かし、球技、個人、団体問わず様々なスポーツの種目を行える場所を、芝生に変え、屋上に追いやるような形で、姿勢で日本のスポーツ振興が行えるとは考えられません。


JSC様は、文部科学省の関連機関として、開発が子どもたちのためになるものか、そして恒久的に国民全体の利益となりうるものか、さらに持続可能なものなのか。事業者の一者として、国民に寄り添い、他の事業者を管理監督、指導する立場でいただくように重ねてお願いいたします。



鋭意まとめましたが、、長くなりました。読みにくかったらごめんなさい!





※1JSC法人の目的 :JSC は、スポーツの振興及び児童、生徒、学生又は幼児(以下「児童生徒等」という。)の健康の保持増進を図るため、その設置 するスポーツ施設の適切かつ効率的な運営、スポーツの振興のために必要な援助、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、 中等教育学校、高等専門学校、特別支援学校、幼稚園、幼保連携型認定こども園又は専修学校(高等課程に係るものに限る。) (第十五条第一項第八号を除き、以下「学校」と総称する。)の管理下における児童生徒等の災害に関する必要な給付その他スポ ーツ及び児童生徒等の健康の保持増進に関する調査研究並びに資料の収集及び提供等を行い、もって国民の心身の健全な発 達に寄与することを目的としています。 https://www.jpnsport.go.jp/corp/Portals/0/corp/R3tyoutatsu/R2jigyouhoukokusyo.pdf


※2独立行政法人とは:https://www.soumu.go.jp/main_content/000385331.pdf


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