「ヘリテージ・アラート」に対する事業者見解についてという文書が事業者HPに公開となりました。
こちらは、先般、ユネスコの諮問機関である国際イコモスから<世界文化遺産的価値の不可逆的破壊>として発出されたヘリテージアラートに対して、事業者が異議を唱えたものとなります。
改めて、この反論こそ、イコモスが何度も求めている直接の対話と議論の上で行えば良いのではないでしょうか。
イコモスは世界の科学者集団であり、妥協ない徹底的な科学的根拠から生まれる論点の深さに差があるため、書面のやり取りではいつまで経っても平行線を辿るのではないかと考えます。
東京大学名誉教授 大方潤一郎先生の反証が非常にわかりやすかったので、ご紹介させていただきます。(出典facebook)
神宮外苑再開発問題に関するイコモスのヘリテージ・アラートに対する「事業者見解」に対する批判
事業者の「神宮外苑地区づくり」のホームページにおいて、『 「ヘリテージ・アラート」に対する事業者見解について』という文書が公開された。イコモスの「ヘリテージ・アラート」に対しての反論というより、とりあえず「事業者として特に認識が異なる記述について」見解を示すものということである。が、その内容は、これまでも環境影響評価書等において語られてきた欺瞞的な説明の繰り返しになっている。網羅的な反論は、いずれ正式にイコモスから発出されると思われるので、ここでは、私の個人的な意見として、この「見解」が、どう欺瞞的であるか、指摘しておきたい。
(1)樹木に関する記述 ①「3,000 本(以上)の樹木」が破壊されるとの記述 事業者は、3.0m 以上の高木の伐採樹木は合計 743 本であって、3000本以上というのは、3.0m 未満の低木を含めた場合であると説明している。これは、なんらイコモスの見解に対する反論になっていない。また、「樹高 3.0m 以上の樹木については、743 本の伐採を予定しておりますが、新たに 837 本の樹木を新植する予定です。」と説明しているが、これも「「3,000 本(以上)の樹木」が破壊される」という事実への反論にはなっていない。新植や移植では、歴史的な緑を保全したことにはならないのであるが、事業者は、新植や移植で、また樹木だけではなく芝地や屋上庭園のようなものであっても「緑の面積と本数」が増えれば緑を保全したことになると強弁している。この都市計画公園区域のスクラップ・アンド・ビルド型再開発事業の最大の問題点は、新植や移植や芝地などで緑の面積と本数を増やしただけでは、歴史的な豊かで貴重な緑を保全したことにはならないことであり、イコモスのアラートも、第一義的には、その点に対して発出されていることを明確に認識する必要がある。
②「過去 100 年にわたって形成され、育まれてきた都市の森を完全に破壊することにつながる」との記述 事業者は「外苑の計画エリアにおいて一部の方々から「森」と称される場所は建国記念文庫の敷地のみであり、総面積約 28.4ha の本計画に対して約 5,000 m²(約 1.7%)、3.0m以上の 既存樹木は 149 本です。」という。いかにも、開発区域の中のごく小さな面積(約 1.7%)であるから、無くしても構わないとでもいうような「本音」が現れているようにも思えるが、神宮外苑区域内にわずかに残された貴重な歴史的な「森」であるからこそ、これは、破壊してはならないものなのである。わずか1.7%の面積の森が、なぜ保全できないのかを問いたい。 また、「「ヘリテージ・アラート」において、建国記念文庫の敷地内の「樹齢 100 年以上の樹木 65 本」のうち「11 本のみが保存」「約 80%が伐採」との記載(※2)がありますが、事業者において樹齢を確定できる記録はございません。」とあるが、そうすると、事業者は、この(地区計画においても北半分が保全緑地に指定されている)大切な建国記念文庫の森を構成する樹木の樹齢について、確認もせず伐採を決めたということなのだろうか。イコモスによる指摘のポイントは、樹木の正確な樹齢ではなく、 少なくとも樹齢数十年を経た古木の過半が伐採されてしまうということであって、樹齢が百年以上かどうかは分からないというのは、まったく子ども屁理屈のような幼稚な反論であって、反論として意味をなさない。 さらに、事業者は「建国記念文庫の既存樹木 149 本のうち、58 本を保存、50 本を移植する計画であり、合計 108 本(約 70%以上)を保存・移植いたします。」と説明している。つまり建国記念文庫の森の中高木のうち、現在の場所にそのまま保存されるのは149本中の58本でしかない。41本は伐採され、50本は現在の場所から根こそぎ引き抜かれ、どこか他所の場所に移されてしまうわけである。現地で保全される樹木は39%でしかない。 しかも、この建国記念文庫の森のうち地区計画による「保全緑地」として残す部分についても、すぐ南側に新ラグビー場の壁がそびえ立つので、その日影の影響や建物の土台の影響などで、残された建国記念文庫の森の生態系は大きく劣化することが予想される。この問題に対し、事業者は環境影響評価書において、建築設計に工夫するなどして、影響をできるだけ小さくするとしているが、どのように工夫するかについては、未だ環境影響評価審議会に報告されておらず、このことに対して樹木の伐採の前に、影響を小さくする工夫について報告するよう事業者に要請が発出されたところである。 さらに、事業者は『「建国記念文庫とそれ以外の敷地から、文化交流施設棟周辺及び中央広場廻りへ約 112 本の樹木を移植し、 さらに新植樹木も配置することで、建国記念文庫の樹林及び生態系を復元する計画です。』と説明しているが、様々な樹木が密につながりあった生態系を構成している「建国記念文庫の樹林及び生態系」は、まったく異なる土地に移植したり復元したりできるものではないし、そもそも、どこにどのようにして現存する「建国記念文庫の生態系」を移植復元するのかも、具体的に示されていない。 以上のことから、「過去 100 年にわたって形成され、育まれてきた都市の森を完全に破壊することにつながる」というイコモスの指摘は、適正な指摘であるといえる。
(2)4 列のいちょう並木に関する記述 「神宮球場の建設は、敷地の南東に沿ったイチョウ並木の健全性に決定的な影響を与える」というイコモスの指摘に対して、事業者は「現時点ではいちょう並木の 縁石から 8.0m 位置で建設する計画としておりますが、今後も実施する根系調査の結果や樹木医の見解を踏まえ、野球場棟のセットバックなど、いちょう並木を確実に保全するために必要な施設計画の見直しに取り組んでまいります。」といっている。つまり、事業者としても、神宮球場の建設がイチョウ並木の健全性に決定的な影響を与えないよう、必要な施設計画の見直しに取り組んでいくということなので、これは、イコモスの見解に対する反論ではなく同意と受けとめることができる。
(3)オープンスペースに関する記述 「オープンスペースの直接的な損失」というイコモスの指摘に対し、事業者は、以前からの説明のとおり、「オープンスペースは、今の約 21%の面積か ら、整備後には約 44%と約 2 倍に広がる」というが、現状のオープンスペースが21%というのは、現在の絵画館前広場が予約制の軟式野球場として使われており、誰でも自由に通り抜けられない場所であるということでオープンスペースとしてカウントしていないことによる。確かに予約した団体だけが野球をプレイすることができるわけだが、野球の応援者や見物客など、実は、誰でも、この場所には入れるのである。また、そもそも都市空間におけるオープンスペースとして第一にカウントすべき街路空間をオープンスペースとしてカウントしていないこともきわめて欺瞞的である。2列の銀杏並木は港区道の中、4列の銀杏並木の中央の2列は都道の中に立っている。これら優れた遊歩道的な街路も事業者側のオープンスペースや緑地の面積には入っていない。しかも新野球場が建つことによって、2列の銀杏並木の立っている街路空間すなわち緑のオープンスペースは消失してしまうのである。以上のことを勘案すると、世界的に専門家の間で使う用語としてのオープンスペースの面積は、開発によって拡充するのではなく減少するといえるのである。
(4)環境アセスメントに関する記述 「多くの誤りや非科学的な方法論があると指摘されている環境アセスメント」というイコモスの指摘について、事業者は「同年 4 月及び 5 月の審議会総会において回答し、日本イコモス国内委員会からの 全 58 項目の指摘について、誤りおよび虚偽はなく、環境影響評価書に記載の評価・予測に変更が生じないことは審議会総会にて確認されております。」と説明しているが、審議会総会にて確認されたことは、不正確な記述や不適切な記述はあるが、いずれも事後評価の段階で訂正あるいは補足すれば良いことであって、「虚偽」というには当たらないということであって、事業者の環境影響評価書には多くの誤りや非科学的な方法論があることは、審議会総会においても確認されていることである。また、「環境影響評価書に記載の評価・予測に変更が生じない」ことは、そのとおりであるが、環境影響評価書では、たとえば新ラグビー場の建国記念文庫の森に対する影響の評価・予測や、4列の銀杏並木に対する新野球場の影響の評価・予測などについて、そもそも十分な評価・予測がなされておらず、つまり、本来は環境影響評価書に書かれているべき事が書かれていないので「環境影響評価書に記載の評価・予測に変更が生じない」のである。以上のことから、イコモスの「多くの誤りや非科学的な方法論があると指摘されている環境アセスメント」という指摘は間違っていないといえる。
(5)再開発手続きや情報発信に関する記述 「市民や利害関係者と協議することなく」 「法的手続きが、国民にほとんど、あるいは全く情報が提供されないまま実施された」というイコモスの指摘に対し、事業者は、本計画については、法的な手続きに則って適切に進めてきており、説明会も9回行ってきたという。イコモスの指摘は、日本の都市計画法やアセスメントの法制度が、そもそも市民や利害関係者との協議の機会が乏しく、また、この計画の法的手続きが、たとえば、公園まちづくり計画の審議過程が非公開であるとか、都の都市計画審議会での地区計画や公園計画の変更の議論が1回で終了してしまうなど、国民にほとんど、あるいは全く情報が提供されないまま実施されたことを指摘しているのである。つまり、都市計画決定後、プロジェクトに関する情報を「提供」することは当然であるが、それよりも、都市計画決定前に、さらにいえば、公園まちづくり計画の審議過程において、つまり計画の構想段階において、情報を公開し、市民や利害関係者との協議の場を設け、計画案を、より広い市民・国民の支持を受けるような都市計画公園再整備計画・再開発計画に深化させるべきだったということを指摘しているのである。
(6)高層ビルに関する記述 「世界的に有名な公園に高層ビルを建設する」 「再開発促進区の導入により、風致地区の高さ制限 15m から緩和され、190m、185m、80m の 3 つの高層ビル の建設が可能となった」 というイコモスの指摘に対し、事業者は「まず、神宮外苑のまちづくりは、民間事業者が所有する土地において、多くの方が利用できる広場などを整備するものであり、国や自治体等が管理する公園を整備するものではありません。」というが、これがそもそも市民を欺く説明である。神宮外苑は都市計画公園であって、しかも、その土地所有者は、戦後の宗教法人化にともなって国有地を市価の半値で譲渡された宗教法人・明治神宮と、国有財産である土地を所有する独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)である。なお、都市計画公園区域外に伊藤忠商事の土地建物がある。つまり、この「神宮外苑のまちづくり」とは、「都市計画公園区域」において、その一部を区域から除外して、そこにオフィスビル等を開発させるとともに、残った都市計画公園区域において公園施設を整備しようというプロジェクトであって、都の「公園まちづくり計画」という仕組みによって実施される事業である。たしかに、「国や自治体等が所有し管理する公園」の整備事業ではないけれど、都が都市施設として決定した都市計画公園の整備事業なのである。都市計画公園内の事業であるから、都市計画公園区域から除外した土地は別として、都市計画公園区域内の土地では、土地所有者が自由に建物を建てることはできず、都知事が許可した公園施設しか建てられないのである。 また、事業者は「本計画においては、事務所棟・複合棟 A・複合棟 B の建設を予定しておりますが、全て都市計画公園区域の外です。」というが、複合棟 A・複合棟 Bについては、2022年3月の「都市計画公園区域の変更」によってその敷地を、都市計画公園区域から除外したから都市計画公園区域の外になったのであって、古くから都市計画公園であった世界的に有名な場所に、複合棟 A・複合棟 Bという高層ビルを建設することは紛れもない事実である。なお、伊藤忠の新しいビル(事務所棟)は、確かに、事業者のいうとおり、従来より都市計画公園の範囲外であり、風致地区にも該当しないものであるが、これだけの大きな容積率の超高層ビルが建てられるようになったのは、公園内の余剰容積率を伊藤忠の敷地に移転したからである。 また、高さ60mを超える超高層ビルは、複合棟 Aと複合棟 B、事務所棟のみであるが、実は、野球場付設のホテル棟(60m)や新ラグビー場(55m)も、かなり高い「高層ビル」であるから、その点からも、「世界的に有名な公園に高層ビルを建設する」というイコモスの指摘は適正である。 ただし、風致地区については、正しくは、「再開発促進区の導入により、風致地区の高さ制限 15m を緩和し、185m、80m の 2 つの超高層ビルと60m、55mの2つの高層建築の建設が可能となった」と改めるべきである。
2. まちづくりの意義について (1)明治神宮外苑とまちづくりの意義について 事業者は「明治神宮内苑の社や森、外苑の緑地は、外苑の諸施設が時代と共にその姿・形を変えながら、その収益をもって支え、維持してきました。その中でも神宮球場は欠かせないものであり、今回の再整備で神宮球場を次の 100 年に向けて更新することで、明治神宮の内苑・外苑を将来にわたって護持していくことが可能となります。」という。 神宮球場の収益が宗教法人明治神宮の組織や活動を維持していく上で、重要であることは理解できるが、そのことは別にして、今回の再開発事業で、容積移転まで行って、超高層ビルを三井不動産や伊藤忠に建てさせることの意義が不明である。ビル建設と引き換えに、安く神宮球場の移転・新築ができるということかもしれないが、そもそも歴史的建造物である神宮球場を現地保全改修せず、わざわざ、ラグビー場が移転した跡地に新築する必要がどこにあるのか。神宮球場を現地保全改修(リノベーション)すれば、少ない費用で、機能を現代的なものにアップグレードでき、次の 100 年に向けて、現在と同様(あるいはそれ以上の)の収益を確保し続けられるのではないか。構想の当初から、玉突き式の移転・新築ありきで計画を考えて来たようだが、玉突き式の移転・新築は、移転先の敷地が、当初漠然とイメージしていたより必要な施設の寸法に対して狭いので、建国記念文庫の森を破壊し、2列の銀杏並木を潰し、4列の銀杏並木を圧迫して枯損し、絵画館前広場の歴史的樹木の多くを失い、かつ広々とした絵画館前広場の景観を会員制テニスコートで囲い込んで通路状の芝地に変えてしまうことになるのである。また、移植や新植では、貴重な歴史性のある緑を保全したことにはならない。移植による生態系の復元というが、現地での傷んだ生態系の復元という例は世に多数あるが、移植によって場所を移して生態系を復元するということが可能とは思えない。優れた先例があるのであれば模範例として示して欲しいところである。
(2)スポーツ開催の継続性に配慮した段階建替えの意義について 事業者は「日本イコモス国内委員会が提示された代替案(以下「日本イコモス案」)は、場所を入れ替えずに現在と同じ場所で建て替える計画であり、工事期間中は競技を中断せざるを得ない計画となっております。」としている。 しかし、そもそも、施設を同じ公園内に移転して新築する場所が具合良く見つかるなどということは、一般には、まず無いことであり、今回のケースでも、一見、同じ公園内に施設を移転・新築できそうに見えて、実は、きちんと設計してみると、微妙に移転先の敷地が狭く、貴重な森や並木や樹木を破壊しないと新しい建物が収まらないのである。そもそも「競技を中断せず玉突き式に場所を移して建替える」という再開発の基本的な構想自体に「無い物ねだり的」な本来的な無理がある。 もちろん、現在地で(今ある建物を取り壊して新たに建てるという)スクラップ・アンド・ビルド式の「建て替える」方式では確かに解体・新築工事に時間がかかるだろうが、「建て替え」ではなく、現在の施設を保全しつつ増改築して改修するリフォームあるいはリノベーション方式で施設を改善するなら、設計と工事の工夫によって、ほとんど競技を中断せず、改修工事を行うことができる(甲子園球場の先例もある)。 改修なら工事費も最小限で済むので、その費用は将来の施設の使用料で回収することが十分可能である。工事にともなうCO2排出量も最小限で済む。そうすれば歴史的建造物である神宮球場も秩父宮ラグビー場も保全できるのである。また、短期間であっても、どうしても工事中に競技を中断したくないのであれば、工事中は、他の場所で(たとえば隣接する新国立競技場で)競技を行えば良いだけのことである。現地保全改修工事は、工事の作業スペースが足らなくて困難などという説明も見かけるが、第二球場を解体した跡地や、ラグビー場北側のJSCのテニスコートの場所を利用すれば、作業スペースも、また改修後の施設の外構スペースも十分に確保できるのである。
なお「日本イコモス案においては伐採本数が 2 本と記載されておりますが、建替工事に際しての足場設置や資材搬入経路の確保といった施工計画も踏まえて策定されているの か不明であり、実現性は限りなく低いものと認識しております。」とあるが、もちろん、第二球場の解体などをはじめ、工事に必要であれば、より多数の伐採本数となることもあるだろう。しかし、この案であれば、建国記念文庫の森、2列の銀杏並木、4列の銀杏並木、絵画館前広場の歴史的樹木と広々とした絵画館前広場の景観は、完全に保全されるのである。その主旨を無視して伐採樹木の本数を上げつらうのは「揚げ足取り」というものである。
以上、事業者の「見解」なるものは、そもそもイコモスの指摘に対する反論とはいえない、従来からの的外れな説明を繰り返しただけのものになっている。
樹木の移植では歴史的な緑地の環境は保全できないのであるから、この緑を潰すスクラップ・アンド・ビルド型の再開発事業は白紙に戻し、緑環境を保全育成しつつ、歴史的建造物である神宮球場と秩父宮ラグビー場を現地保全改修によって再生するコンサベーション型の公園修復事業に変更すべきなのである。
神宮外苑の都市計画公園区域内に残っている大事な緑は、
①建国記念文庫の森、
②ラグビー場前の港区道上の2列の銀杏並木、
③4列の銀杏並木、
④絵画館前広場の縁辺部(特に北西の、建国記念文庫の森と対をなす部分)の4箇所。
そのうち①の南半分を新ラグビー場の建物で踏み潰し、保全緑地と指定されている北半分を新ラグビー場の日影で圧迫して劣化させ、②は新野球場で踏み潰し、③を新野球場の壁で圧迫して枯死させ、④を会員制テニスクラブで踏み潰す。つまり、ほぼ全滅。このように、今の建築計画では、神宮外苑に残された貴重な緑を、きちんと保全することができない。事業者は建国記念文庫の森の樹木の半分を移植して「森の生態系を移植・復元する」などと唱えているが、個々の樹木の移植はある程度可能でも、森の生態系を他の場所に移して復元することなどできることではないし。実際に、どこにどうやって復元するかもまだ設計されていない。神宮外苑再開発の環境アセスメントの記述内容の「虚偽」の第一は、この、移植によって貴重な歴史的な緑の生態系が復元・保全される、としていること。このことは、真実ではないという意味で「虚偽」の記述といって良い。
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